キタダケソウ(北岳草)

6月に咲くお花

基本情報

分類

キンポウゲ科キタダケソウ属

分布

北岳

花の色

花期

6月

みっけメモ

見つけた場所

2023年6月中旬、北岳でみっけ🌸

関連情報

北岳にしか咲かない北岳の固有種です。例年北岳登山口までのバス開通時には花が終わっていることが多いそうです。花期が短いのですね。
満開の様子が見たくてバス開通前に行きましたが、約17キロのバス道を歩かねばならない等ルートがきつくて必死の思いで登りました笑

探し始めはハクサンイチゲとの区別がつかず、ハクサンイチゲをキタダケソウと思って写真撮影していましたが、途中で明らかに様子が違う花を見つけ、こちらがキタダケソウとわかりました😊
ハクサンイチゲと違い、キタダケソウの茎や葉柄、葉などには毛がなく、茎や葉のふちの色が少し紫味を帯びています。茎や葉のふちの色には個体差もあります。
蕾そのものや蕾〜開花直後のものは紫味が強い傾向にある気がしました。また、開花直後の花はおしべの色が緑がかっているように見えました。

調べてみると、葉緑体が光合成できる能力以上の太陽光を浴びると、葉緑体の光合成機能を破壊してしまいかねない量の活性酸素が合成されるそうです。太陽光を吸収してくれる「アントシアニン」という色素を合成することで、過剰な活性酸素の合成を予防するのに役立てているようです。

アントシアニンは、酸性時には赤、アルカリ性時には青になる性質がある色素で、シソやアジサイ、ブルーベリーなどいろいろな植物が持っています。

また、赤い色素は葉緑体の発達を促進する働きも持っているらしく、つぼみや若い花で紫味が強いのもこう言ったことが理由だと思われます。

キタダケソウは、葉が幾重にも重なっていてとても美しかったです。葉の色は、ハクサンイチゲより深い色で黄色みが少ないようでした。

気のせいかもしれませんが、キタダケソウの八重葉の特徴を持ったようなハクサンイチゲも見られ、「交配するのかな~?」と興味をそそられました。

北海道のアポイ岳には、キタダケソウにそっくりな「ヒダカソウ」という花が咲くそうです。アポイ岳にもたくさんお花が咲くと聞きますので、いつかぜひ行ってみたいお山の一つです。

盗掘などで数が減っているそうで、そのようなことをする心無い人には憤慨の気持ちでいっぱいです。
いつまでも、この美しい花を北岳で楽しむことができることを切に願っています。

お花を見つけた北岳のこと

北岳は日本でも有数の高山植物の宝庫です。
6月中旬に上った際には、「オヤマノエンドウ」「ミヤマキンポウゲ」「ハクサンイチゲ」「イワウメ」「イワヒゲ」「ミヤマムラサキ」「キバナノシャクナゲ」「ツガザクラ」などたくさんの高山植物に出会うことができました。

北岳には、キタダケソウのほかに「キタダケトリカブト」という固有種があります。8~9月に咲くそうです。ぜひいつか見てみたいものです。

また、北岳は昔海の底にあったそうで「チャート」と呼ばれる堆積岩を多く含んでいるそうです。
この「チャート」は、海綿動物等が堆積してできたものと考えられているそうです。
チャートに加え、赤みがかった「赤チャート」という岩石も多いようで、これは山頂付近でたくさん観察することができました。
日本で二番目に標高が高い北岳ですが、昔は海の底にあったのかと思うと、あまりに長い時の経過を感じられ自分の存在や普段の悩みがとてもちっぽけなものに感じます。

標高が高く、2400メートル以上の山ではほぼ100%高山病を発症する私には、非常にきつい山ですが高山病のきつさと引き換えにでも行ってよかった・また行きたいお山でした。

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